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上塗りした塗料のシンナーが旧塗膜に浸透して、塗装表面がシワシワになったり、剥がれなどがおきるトラブルを「チジミ」と呼んでいます。

これは旧塗膜がラッカーアクリル塗料やフタル酸塗料など一液性の塗料で塗装されていた場合に発生しやすくなります。

上記の塗料は樹脂に顔料を混ぜて作られており、塗装する際はシンナーなど希釈液で薄めて吹付塗装やハケ塗りを行います。そして塗膜に含まれたシンナーが蒸発することで表面が硬化します。そのため再びシンナーなどが表面に付着すると溶けてしまうなど、状態は新車の塗装表面などに比べて不安定なものになります。

そこで現在では二液性の補修塗料が主流となっています。これは塗料成分の樹脂同士をつなぐ成分を混ぜ合わせ硬化させるもので、乾燥した表面は硬く一液性に比べて対候性や対紫外線にも優れています。

その硬化は一液性と少し異なり空気と多く触れる表面から進んでいきます。そのため塗膜内に残るシンナーが完全蒸発するのに時間がかかります。

そのため旧塗膜が不安定な状態の場合、チジレなどが発生するトラブルに繋がるのです。

通常、旧塗膜の成分が不明の場合やあまり状態が良くない場合などでは、同じく二液性のプライマリーサフェーサーなどで下地処理して上塗り塗装しますが、写真の塗装はどうやらこの処理工程を省いたために発生したようです。

対処法としては全剥離しかなく、時間と材料の無駄遣いとなってしまいます。

「急がば回れ」

やはり手順は手順として面倒でも踏まなければ、結果遠回りになってしまいます。